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退職の相談を受ける前に、人事ができること...

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退職の相談を受ける前に、人事ができること。

「少し、お話があります」。社員からそう声をかけられ、初めて退職の意思を知る。その場で条件や配属を見直そうとしても、どこから話を始めればよいか迷うことがあります。

ただし、人事が目指すべきなのは、すべての退職を引き止めることではありません。本人の選択を尊重しながら、会社側で改善できる働きづらさを、相談が届く前から見直せる状態をつくることです。この記事では、そのための従業員フォローを考えます。

「辞めそうな人」ではなく、確認したい変化を見る

残業の増減、業務分担の変更、面談で語られる困りごと。こうした情報は、状況を尋ねる入口になります。一方、残業が減ったことだけで意欲低下を決めつけたり、有給休暇の取得を退職の兆候とみなしたりするのは適切ではありません。

厚生労働省「こころの耳」のラインケア教材は、普段との違いへの気づきと、相談・職場への対応を扱っています。ただし、これは退職予測の手法を示す資料ではありません。日常との違いを、支援の必要性を確かめるきっかけにする考え方として参照できます。[1]

記録には「最近やる気がない」ではなく、「面談で担当範囲が分かりにくいという発言があった」と書きます。事実と担当者の推測を分ければ、先入観を持ち込まずに次の確認へ進めます。

相談が届く入口を、上司一人に限定しない

直属の上司に話せることもあれば、話しにくいこともあります。上司との関係そのものが困りごとなら、同じ上司だけを相談窓口にしても十分ではありません。人事、別の管理職、外部相談先など、状況に合わせて選べる入口を用意します。

入口を増やすだけでなく、「誰が読むか」「どこまで共有するか」「緊急時にはどう扱うか」も説明します。相談した内容がそのまま全社に広がる運用では、安心して話すことはできません。収集目的と利用範囲をあらかじめ整理することは、個人情報の適切な取扱いの基本でもあります。[3]

声をかけるときは、事実と支援の意図を伝える

面談の第一声は、結論を迫る質問ではなく、状況を確認する言葉にします。「退職を考えていますか」から入るのではなく、「担当が変わってから、仕事の進めにくさはありませんか」と尋ねる方法です。

本人の説明が自分の想定と違っても、すぐに訂正や説得を始めません。話を聴く姿勢については「こころの耳」の積極的傾聴の解説も参考になります。[2] 以下は本記事で提案する声かけ例です。

面談のあとに、会社が動く内容を決める

「話を聴いた」で終えず、会社が見直せることを一つ選びます。担当範囲を明確にする、締切を調整する、相談先を変える。本人に努力を求めるだけでなく、業務や組織の側で変えられることを検討します。

その場で決められない場合も、確認する担当者と返答日を伝えます。面談記録には、確認した事実、本人の希望、実施すること、担当者、次の確認日を残します。健康に関する詳しい情報は通常の業務管理と切り分け、必要な担当者だけが扱う運用を検討してください。[4]

最初の一歩は、未対応の相談を一つ減らすこと

大がかりな仕組みを整える前に、いま受けている相談を見直してみましょう。担当者が決まっていない相談、返答予定日がない相談、面談後に確認していない相談はないでしょうか。

退職が減ったかどうかだけでなく、約束した対応が実行されたか、本人に結果を伝えたかも振り返ります。相談が増えたときも、すぐに組織の悪化と結論づけず、相談しやすくなった可能性を含めて確認します。人事の「先手」は、人の意思を先回りして決めることではなく、支援できる機会を逃さないことです。

SENTE HRと考える、人事の次の一手

SENTE HRでは、勤怠やアンケートなどの情報を、変化への気づきと次の対応につなげることを目指しています。情報の把握から面談後のフォローまで、分断されているところがないかを見直してみませんか。

参考資料

[1] 厚生労働省 こころの耳「15分でわかるラインによるケア」

[2] 厚生労働省 こころの耳「話を『聴く』〜積極的傾聴とは〜」

[3] 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」

[4] 厚生労働省「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」

資料確認日:2026年10月5日。本文中の手順・表・質問文は編集上の提案です。個別の労務・健康上の判断は、社内規程と適切な専門家の助言を踏まえて行ってください。
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